断られ続けた男が、だんだん無口になる理由
最初から無口だったわけじゃない。
本当は話したかった。
ちゃんと伝えたかった。
何が嫌なのか、どうしたらいいのか、分かりたかった。
でも、何度も断られているうちに、男はだんだん喋らなくなる。
これ、気持ちがなくなったからじゃないんだよね。
むしろ逆で、気持ちがあるからこそ、言葉が減っていく。
そこがたぶん、一番しんどい。
最初は、ちゃんと向き合おうとしている
こういう話をすると、
「男はすぐ拗ねる」
「言いたいことがあるなら言えばいい」
そんなふうに思われることもある。
でも実際は、最初から黙っているわけじゃない。
最初のうちは、ちゃんと向き合おうとする。
疲れてるのかな。
タイミングが悪いのかな。
何か理由があるのかな。
そんなふうに相手のことを考えながら、できるだけ責めないように話そうとする。
最近どう思ってるのか聞いてみたり。
自分に直したほうがいいところがあるのか聞いてみたり。
寂しいということを、なるべく重くならないように伝えてみたり。
本当はケンカしたいわけじゃない。
責めたいわけでもない。
ただ、分かりたいだけなんだよね。
でも、その言葉が流されたり、面倒そうにされたり、また今度みたいに終わらされると、少しずつ心が折れていく。
断られているのは行為だけなのに、自分まで拒まれた気がしてしまう
ここがレスのしんどさだと思う。
頭では分かっている。
断られているのは、その日の誘いだけ。
その時の気分やタイミングの問題かもしれない。
でも、心はそんなにうまく切り分けられない。
勇気を出して近づいた。
でも避けられた。
思い切って気持ちを伝えた。
でも受け止めてもらえなかった。
それが何度も続くと、だんだん意味が変わってくる。
今回はダメだった、では終われない。
自分そのものが拒まれているような気持ちになってくる。
もう異性として見られていないのかな。
男として魅力がないのかな。
一緒にいる意味って何なんだろう。
そんなところまで考えるようになる。
一回や二回なら、まだ耐えられる。
でも、それが何ヶ月も何年も続くと、本当に削られていく。
だから、だんだん話すのが怖くなる
人って、傷つくことが続くと変わる。
また断られるかもしれない。
また空気が悪くなるかもしれない。
また自分だけがみじめな気持ちになるかもしれない。
そう思うようになると、次は言い出しにくくなる。
本当は甘えたい。
本当は触れたい。
本当は寂しいって言いたい。
でも、それを出してまた傷つくくらいなら、黙っていた方がまだマシ。
そうやって少しずつ、言葉を飲み込むようになる。
無口になったんじゃない。
喋るたびに傷ついたから、喋れなくなっていく。
たぶん、こっちの方が近い。
無口なのは、冷めたからじゃなく、自分を守っているから
会話が減る。
前みたいに自分から話しかけなくなる。
目も合わせなくなる。
すると相手からは、冷たくなったように見えることもある。
でも、本当に冷めたなら、もっと楽なんだと思う。
期待しないし、傷つかないし、諦めもつくから。
でも無口になる男の中には、まだ気持ちが残っている。
残っているから苦しい。
残っているから、これ以上傷つかないように閉じる。
つまり無口って、冷たさじゃないんだよね。
最後の防御なんだと思う。
これ以上、自分の気持ちを雑に扱われたくない。
これ以上、惨めな思いをしたくない。
だから静かになっていく。
本当にまずいのは、怒らなくなった時かもしれない
まだ怒っているうちは、気持ちが表に出ている。
不満もあるし、悲しさもある。
期待もまだ残っている。
でも、その先がある。
言っても無駄。
どうせ伝わらない。
何を話しても同じ。
そう思い始めると、人は怒ることすらやめる。
これは落ち着いたわけじゃない。
大人になったわけでもない。
ただ、反応する力まで削られてきただけなんだと思う。
何も言わないから大丈夫、ではない。
むしろ、何も言わなくなった時のほうが、深いところで諦め始めていることがある。
ここは本当に怖い。
それでも心の中では、まだ言いたいことが残っている
無口になった男が、何も感じていないわけじゃない。
本当は聞いてほしい。
本当は分かってほしい。
本当はもう一度、ちゃんと向き合いたい。
でも、その言葉を出すのが怖くなっただけなんだよね。
また軽く扱われるかもしれない。
また流されるかもしれない。
また自分だけが傷つくかもしれない。
その怖さが、口を閉じさせてしまう。
だから無口になった男を見た時、
「もう冷めたんだな」
で終わらせないでほしい。
その沈黙は、無関心じゃなくて、
言葉にすると痛いから閉じ込めているだけかもしれないから。
たぶん一番悲しいのは、好きなまま黙っていくこと
どうでもいい相手なら、ここまで苦しくない。
でも、まだ好きなんだよね。
大事なんだよね。
だから話したいし、分かってほしいし、できれば前みたいに戻りたい。
その気持ちがあるのに、何を言っても届かない。
何度伝えても、うまく受け止めてもらえない。
そうすると人は、好きなまま黙っていく。
これが本当にしんどい。
嫌いになれたら楽なのに。
もうどうでもいいと思えたら楽なのに。
そうならないから、言葉だけが減っていく。
気持ちはある。
でも出せない。
その状態がずっと続く。
だから無口になった男の沈黙って、ただの性格の問題じゃない。
その奥には、何度も伝わらなかった悲しさが溜まっているんだと思う。
最後に
断られ続けた男が、だんだん無口になるのは、愛情がなくなったからじゃない。
何度も気持ちを出して、何度も傷ついて、
そのたびに少しずつ言葉を飲み込むようになったからだ。
話さなくなったんじゃない。
話しても痛いだけだと覚えてしまった。
たぶん、それが近い。
だからその沈黙は、無関心じゃない。
諦めきれない気持ちと、もう傷つきたくない気持ちがぶつかった結果なんだと思う。
もし今、同じように無口になっている人がいるなら伝えたい。
あなたは冷たくなったわけじゃない。
言葉を失うくらい、ちゃんと傷ついてきたんだ。
そのことまで、自分で見失わないでほしい。